化学療法院内勉強会レポート

2006年11月24日(金) 参加数:21名

モルヒネを用いたがん疼痛緩和ケアについて

協和発酵工業(株)士岐雄一郎氏 / 当院薬剤部 海老根卓也

今回デュロテップ製剤について勉強会を行った。
デュロテップ製剤は貼付剤の為、直接皮膚に→血管→体循環へ移行し中枢に作用する。その結果、便秘、嘔気、嘔吐等の副作用を抑えることができる。また、 3日に1度の張替えなので扱いやすい。貼付方法は足の裏以外であればどこにでも貼付が可能である。その際、体毛の処理や発熱時、長時間の入浴によっては薬品の吸収率が上がってしまうなど注意点がある。薬効時間は貼付後12〜48hと長く、剥がしてからも17h程薬効が続く為、切り替え時に疼痛、副作用の出現に注意が必要である。
この勉強会を通して感じたことは、デュロテップ製剤は副作用が少なく取り扱いも簡単である為、在宅での療養も家族の負担を軽減できるのではないかと思った。いくつかの注意点をしっかり理解し、患者さまに安心してデュロテップ製剤が使用できるよう説明していきたい。

(看護部 M.S)

2006年9月8日(金) 参加数:23名

閉経後乳癌治療剤「フェマーラ」について

ノバルティスファーマ(株)須賀氏・大和田氏

1995年より女性の癌は胃がんより乳がんのほうが多く、これからも増加していくと予測されている。ただし乳がん患者の増加しているが、死亡率はそれほど高くない。(=治せる癌!!)
再発すると治癒は極めて厳しい。そのため術後補助療法が行われる。現在は根治性と整容性を保ちながらより侵襲の少ない治療が望まれる。そして患者のQOLを長く保つために副作用の少ないものを・・・・ということからホルモン療法は注目されているアロマターゼ阻害剤、閉経後乳がん治療剤"フェマーラ"の用法用量は閉経後乳がん患者成人1日1回2.5mgを経口投与。副作用は、ほてり、頭痛、筋肉痛などがある。
タモキシフェンを5年間内服後、フェマーラ内服治療(エクステンディド・アジュバンド)[MA・17試験]。あるいはタモキシフェンを2〜3年内服後にアナストロゾールにスイッチする(ARNO-95・ABCSG-8・ITA)などの臨床試験もあわせて勉強した。イニシャルアジュバンドや進行再発乳がんの一次治療などにも用いられるようになる薬であると感じた。
これから当院でも使用される薬剤であり内服治療をされる患者さまのフォローアップも必要と考える。

(薬剤部 T.E)

2006年8月4日(金) 参加数:21名

ホルモン療法「アリミデックス」について

アストラゼネカ(株)小池高之氏

ホルモン療法でよく用いられているアロマターゼ阻害剤についての勉強会を行った。
ホルモン環境と乳がんの関係は歴史的にエストロゲンが体内に長く存在することが乳がんの発症と関与し、また卵巣摘出をおこなったことにより乳がん(腫瘍)が小さくなった(1896年)。このことから乳がんがホルモンと関係することが研究され、乳がんのホルモン療法は始まった。乳がん術後その患者のリスクの評価をし、内分泌反応の有無を調べ、ホルモン療法・化学療法の組み合わせが決まっていく。アリミデックスを始めとするホルモン療法に使われる薬剤の副作用(ほてり、吐き気、疲労感)は、持続的なものが多く、これはホルモンへ持続的に作用するためである。また、エストロゲンの分泌を下げるため関節痛や骨粗鬆症、骨折などもみられる。
乳がんの再発を防ぐための補助療法として大きな役割を持っていることもわかった。

(看護部 T.N)

2006年6月30日(金) 参加数:30名

乳癌化学療法について〜TS-1の位置付け〜

大鵬薬品工業 手塚潤一氏

乳がんの基礎から基本的な診断、治療方法についての説明があった。特に乳がんの場合は、ホルモンの感受性や閉経の有無などにより治療法が変わってくる。
今回は科学療法で用いられる経口の抗癌剤であるTS-1(ティーエスワン)について勉強会を行った。TS-1は古くから用いられている抗癌剤であるが、乳癌に関しては最近承認された薬剤である。TS-1はテガフール、ギメラシル、オテラシルカリウムの3剤による合剤である。テガフールは体内で代謝された後5-FUとなり抗癌作用を示す。ギメラシルは5-FUの代謝酵素であるDPD(ジヒドロピロミジンデヒドロゲナーゼ)の作用を弱め、5-FUの代謝を遅延し効果を持続させる。オテラシルカリウムいは5-FUの消化器毒性を軽減する。そのためTS-1は5-FUを持続静注しているのと同様の作用を示し、なおかつ、消化器への副作用を比較的弱いものにしている。また、このDPDは正体内ホルモンと同じように日内変動をしめすため5-FUの血中濃度も同じように変動している。
この勉強会でTS-1についての薬理作用が理解でき、患者さまへの対応に役立てると考える。

(看護部 T.N)

2006年6月23日(金) 参加数:33名

薬剤性肺障害について

呼吸器内科 前原医師

最近経験した薬剤性肺障害の症例を基に、呼吸器内科医師より講義していただいた。薬剤性肺障害とはその名のとおり、薬剤により引き起こされる呼吸器系の有害事象である。薬剤による服採用発症は1232品目あり、有名なものとしてブレオマイシン、シオゾール、小柴胡湯、イレッサがある。原因薬剤の頻度として、抗癌剤、免疫抑制剤が8割を占めている。症状としては、息切れ、空咳、呼吸回数の増加、ばち指、チアノーゼ等があり、検査所見はSATの低下、CRP陽性、LDH上昇他、び慢性・斑状浸潤陰影等の画像所見がある。
私たち看護師は、ここで得た知識を活かし、今後も患者さまとのコミュニケーションを大切にし、症状の早期発見に努力したい。

(看護部 T.H)

2006年5月26日(金) 参加数:19名

ハーセプチンについて

中外製薬(株)

「ハーセプチン」は、HER2/neu陽性の転移性乳癌患者に対し、治療効果が認められている薬剤である。HER2(=ヒト上皮増殖因子受容体)は、細胞の表面に人体のような腕があり、その腕から増殖に必要なえさを取り込んでいる。このような仕組みで活発に増殖を行う。しかし、転移性乳癌患者の誰もが効果を表すのではなく、癌の組織からHER2を検出して強陽性(3+)であれば、ハーセプチンは効果を表すという。よって、これまでの抗癌剤とは違う仕組みで癌を抑える、新しいタイプの薬剤ということが分かった。

(看護部 T.N)

2006年5月19日(金) 参加数:35名

骨吸収抑制剤「ゾメタ」について

ノバルティスファーマ(株)

今回は乳癌の骨転移について病棟看護師より、乳癌がなぜ骨転移しやすいのかなど、詳しい講義があった。病棟・外来看護師はもちろんもこと、放射線技師、検査技師、薬剤師等が多く参加した。
ゾメタは2006年に多発性骨髄腫による骨病変及び、固形癌骨転移による骨病変に対して承認された。骨病変の成立及び進行に関与する破骨細胞の活性を阻害し、骨吸収を抑制するとされている。
当院では、骨吸収抑制剤としてはアレディアを用いているが、このゾメタはアレディアの850倍の抑制力を持つとされている。点滴静脈内投与も、3〜4週間隔で15分以上かける程度で効果が得られる。骨転移をしている患者さまにとってはかなりの朗報。このたび当院でも、薬事委員会による協議を経てゾメタが採用となり、患者さまのQOLの向上に貢献できればと考えている。

(看護部 T.H)

2006年4月14日(金) 参加数:29名

タキソールについて

ブリストル・スクイブ(株)一柳氏

当院では乳腺外来の受診者は増加傾向にある。それに伴い、化学療法を受ける患者さま達も増えている。前回行われた佐伯教授の勉強会からの学びより、当院の外来化学療法における問題点が明確になってきた。まず、個々の薬剤についての理解を深めることを目的として、当院でも乳癌の化学療法で用いられている抗癌剤「タキソール」について勉強した。
タキソールは、西洋イチイの樹脂から抽出されたものであり、1992年にカナダで発売され卵巣癌で承認されたもので、日本では、1999年に乳癌での効果が承認された。タキソールの投与理由、投与スケジュールや投与方法、過敏反応やそれへの対応、また、治療を受ける患者さまへの対応等の講義内容名、乳癌治療に携わるスタッフの薬剤に関するあらゆる視点から、知識を高めるきっかけとなった。この勉強会を通し情報を共有し、同じ視点で看護にあたることができ、患者さまが安心して治療が受けられるよう役立てていきたいと考える。

(看護部 T.N)

2006年月16日(月) 参加数:52名

乳がん診療ガイドラインと認定看護師

埼玉医科大学 乳腺腫瘍科 佐伯俊昭教授

現在、乳がん治療は目ざましい進歩を遂げ、EBMに基づいた乳がん診療ガイドラインが確立している。日本乳癌学会では専門医制度が確立し、日本病院薬剤師会では癌化学療法専門認定薬剤師の育成を積極的に行なっており、看護師においても認定および、専門看護師制度の教育が行なわれている。
これからはますます専門性を高めた看護師による看護の提供が求められる。私達は日々快適と安心の中で治療を受けられる環境作り、治療における相談、緊急時の対応などを考えていかなくてはならない。
クリティカルパスの導入や待ち時間対策など、まだまだ問題は山積みであるが、今後の外来化学療法に対する取り組み方を考えるうえで充実した勉強会だった。この勉強会を機会に質の高い看護を提供していけるよう努力していきたい。

(看護部 T.N)